深夜のファミレス真夜中の散歩人

一番近い場所にあるファミレスはそこそこな距離がある。深夜の住宅街はみんなの寝息しか聞こえないくらいの静けさで心地が良かった。こんなところにも食べ物屋さんが、美容院があるんだと思って二度見するけどもちろん深夜だから開いてはいない。がらっとした店内、シャッターが閉まった感じがなんとなくよさげ。どこかに迷い込んだみたいな不安げな気持ちに1人興奮しながら、いつもより少し大股にゆっくりと歩いた。2駅歩いた先の駅前は随分と賑やかそうだった。大学生たちがぽつぽつと集まっていた。男女のグループは欠かせないね。男たちで道路を塞ぐように歩く姿も捨てがたい。このような光景は私の地元では決してみられないだろう。それどころか飲み屋に行くなんて発想だってそもそも無いのだ。若者が集まってる図がいつからか好きになった。ゴミは路上に投げて捨てるし、ツバも吐くし、ゲロは落ちてるし、正直最悪。こんなやつらが数年後、いや来年、スーツを着て企業の社員として働くのかぁと思うとざまあねえななんか思ったりする。皮肉じみた気持ちで好意的に眺めつつも、やはり根っこには羨ましさがまとわりついているのかもしれない。眩しいと素直に思う。ファミレスでは男二人組が起業のアイデアをつぶやきあっていた。今はAIがすごいとのことだ。卒業したらまず3年企業に勤めて退職金をもらって、それを資金にするらしい。退職金もらえる起業って今時大手以外であんのかな?なんてことを思いながら自分の未来の人生設計をしている彼らの姿が、若いなあなんて思った私はもう若くなくてこれから老いていくのだなあとしみじみ思うのだった。また別の男子グループでは、「●●がさあ」と女の話をしていた。「男の家に来たらそりゃそうなるだろ」なるほど彼女はやり捨てでもされたのか、友達だと思っていた男の子にセックスを迫られたのか、そういう類の話だな。そういうことで泣けることは大事なことだぞ、嫌なことは嫌だと思い続けないと同じことを繰り返しちゃうからな〜〜なんてことを心の中でつぶやいたりして、ああ自分は順調に枯れてるなと残念にまた思うのだった。

それはそうと今電車の中にいるのですが、もう終点だというのに席が空いた瞬間若い女が立ち上がり駆け込むように座り込んだ、さりげなく振り向いてみると男の肩に頭をくっつけていた。私はそれを見て「かわいいな」と素直に呟きかけた。


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