観た映画、読んだ本

ヤフーだかでの評価はあまり良くはなかったが、個人的には素晴らしい映画だったと評価。
ヘイトスピーチがヨーロッパでいけないとされるその原点はきっとここにあるのだと思う。
また、他の人も書いていたが、「ヒトラーを特別な(悪魔的)存在として描くのではなく、どこにでもいる一人の青年だったというふうに描くことでよりリアリティが表現されている」というのはまさにそうだ。
これは去年公開された『帰ってきたヒトラー』にもあって、「ヒトラーを選んだのは民衆であり、彼を支持するということは本質的に彼らは同じ人間である。」といった内容の台詞が、さっきのそれを表している。
悪魔を生んだのは神ではなく、そして親でもない。悪魔は初めからは存在しておらず、誰かが作り上げたのだということ。その”誰か”というのが、前者の映画では軍であり、後者は民衆であると描いていた。
話は変わるが、映画として日常の演出の仕方がとても美しかった。例えば男が喋りながら並んで歩いている時に、片方が目の前の水溜りを避けたり、途中通りかかった男の子の頭にポンと手をタッチさせたり。そういう自然な人間の動作を表現するのが、この監督(あるいは脚本家)はうまいのだろう。
この映画は全体的に富野由悠季監督の描く作品をどこか思い出させる部分があった。ヒトラーをメインに扱っているぶん、余計に機動戦士ガンダムを連想させられる。そして何よりも、富野監督も実は”日常”を描くのがものすごくうまい(自然)からである。
この動作やシーンは決して本作のメインテーマには全く関係しないにもかかわらず、あえて入れていることで、見る側は監督の作品に対する愛みたいなものを感じさせられるよね。
それにしても面白かった。短いから全然観てて疲れないし。おすすめです。

現実入門―ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫)

現実入門―ほんとにみんなこんなことを? (光文社文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

絶叫委員会 (ちくま文庫)

穂村さんの存在を先日ツイッターを通して初めて知り、なんとなく本を購入して読んでみたら、どハマりしてしまった。
人の頭の中をそのままのぞいているような、勝手に日記を読んでいるみたいな、とにかくドキドキとさせられる不思議な魅力がある。思わず恋でもしてしまいそうなくらいに、ただの文字に母性までも抱かせてしまうくらいに。
ああ多分この人、すごくモテるだろうな。意識せず女にモテてしまうんだろうな。本人が気づかないこともしばしばありそうだ。そんな印象。

医学の歴史 (講談社学術文庫)

医学の歴史 (講談社学術文庫)

興味本位で読んだ。医学の歴史そのものには何がきっかけで興味を持ったんだっけ。
エレファントマンの最初の手術のシーンももちろんそうなんだけど、えーと、あれだ。ジェイコブスラダーで出てきた、風邪の治療で男を氷水風呂に突っ込ませたシーンだ。まさか本当にある治療法じゃなかろうなと思って調べたら、水風呂に浸かるというのは実際やってる国はあるらしい。まあ、本当か知らないけどそこから医学に惹かれだした。
これを読むと医者を見る目がだいぶ変わる。医者の起源はほとんど神なんだよ。厳密には起源じゃないけど、まぁ過言ではないと思うなぁ。ねぇ。


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