色んな人の中に生きている「東京」

私は東京に住んでいる間にはろくなことがなかった。
就活をしている身なので、あったことをそのままここに書くことはできない。多分私は、普通の人が経験することのないことを経験してるし、普通に生きてたら接することのない人とも接してきた。
不遇な人生は今も続いているし、得たものの数よりも失ったものの数のほうが遥かに多いことは確かだ。いや、もはや数の問題でもないだろう。私の失ったものの一つ一つは、多分もう戻らない。
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憎しみと憎悪を込めながらビルの壁を拳で殴る日々もあった。
勝手な幻想をいだいて私に花束とケーキを渡してくるおじさんには、「いい加減、目を覚ませ、目の前にいるこの女は、とんでもない闇だぞ。」と思いながら、「わ、わ~…メロンだ、おいしい~…」と苦笑いしながら嫌いなメロンが乗っかったケーキを頬張った。
カップル向けのホテルのフロント内での接客は異空間だ。裏社会という言葉がお似合いの職場だった。「俺は脱法ハーブとか大麻とか色々やってきたけどさ、まあハーブはちょっとヤバイけど、大麻くらいなら害はないし、人生経験になると思うよ。」なんて笑顔で語りかけてくる26歳若手の上司。「人生経験ですか…」そう思いながら、東京ってみんなそんな危ないことしてる人ばかりなのかな、と19歳ながら不信感も抱いたりした。2012年の12月。
東京では出会いの数が本当に多くて、色んな男の人とも付き合った。自分みたいな根暗で控えめで地味な女でも彼氏なんてできるのか、片思いが成就するもんなのか、と本当に驚きを隠せなかった。酒にもタバコにも睡眠薬にも依存することがなかった私を唯一狂わせたのが彼氏という存在だった。本当に狂った。自分の人生なんて何もかもどうでもよくなるくらい、犬みたいに相手に従いたくなったり従おうとしてしまう。そのくせエゴが強いから思い通りにならないとイライラもするし、そんな自分にまたさらに幻滅して鬱になる。
色んな友達もできた。できたけど、結局長続きはしない。リムーブ・ブロックされれば全てなかったことにされるようなそんな関係しか築けなくなっていた。悲しい。ネットワークは情報を伝達するものでしかない。ネットワークが無かったら明日会う約束さえできない関係。今いる友達も来年つながっていられているかわからないんだなあと思うと、時々むなしくなる。同級生と今でも仲良しな人たちを見ると、羨ましいなと思うようになった。
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もっともっと書きたいけど書けないこともたくさんある。
悲しい思い出や許せないような出来事。憎悪の塊。
昔、bloggerで、「東京なんて燃えてなくなってしまえばいい。渋谷の街も、新宿のビルも、池袋の風俗街も、みんな燃えて消えてしまえばいい。」みたいな日記を書いたことがある。
あの頃の私は憎しみの感情しか無かった。
東京という病におかされながらも、時に人格が崩壊しても、必死に這いつくばって生きていた。
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でも悪いことばかりじゃない。
今いる友達たちはかけがえのない財産だし、今のライターの仕事も東京でたくさんパワーとエネルギーをもらえたおかげで得られた。
劣等感を初めて覚えることで、知識欲が高まったし、学習意欲も芽生えた。本を読むようになった。前よりも、ニュースを読むようになった。
馬鹿みたいに買い物ばかりしていたおかげで、急に目も覚めた。買い物だけが人生じゃない。自分の人生を豊かにするものは、買い物じゃない。そのことに気付けた。
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上を見上げながら暮らす生活もあれば、下を見下ろしながら暮らす生活もある。
一度くらいは、高層マンションから街を眺めて暮らしてみたい。それがたとえ1ヶ月でもいい。
自分が普段見ている角度からは正反対な場所に立つことは、面白い経験だ。

東京だけが日本の全てではないと言えるのは、私が東京に数年間住んだから自分の言葉で言えることだ。
でもなんだかんだで、地方よりも東京のほうが楽しいのは、私が両方の生活を知っているから言えることでもある。

色んな人の中に生きている「東京」を私はもっと知りたいな。
たとえ同じ土地に住んでいても、眺めている景色は同じでも、その先に待ち受けている未来はみんな違う。
いつかそんなエッセイ本みたいなものを書きたいなあ。どうやったら書けるんだろう。なんせ、書籍化狙ってインターネットで書くには、ちょっとリスクある内容があるからそれができないのが惜しい…。

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写真はみんな、東京で撮ってきた写真です。
写真をやっていた頃の私は、本当に少年みたいだった。純粋で、真っ直ぐだった。今の私も、純粋で真っ直ぐであってほしい。
泣いちゃうなあ…。


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