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読んだ本-7月

読んだ本

江戸川乱歩名作選 (新潮文庫)

江戸川乱歩名作選 (新潮文庫)

とりあえず傑作集を手を出してみた。江戸川乱歩と言えば『人間椅子』と『屋根裏の散歩』をよく知っていたからだ。読んだことはなかったけれど、昔映画で後者を観たことがある。でも内容なんてほとんど覚えちゃいない。覚えてるのは屋根裏を這いずる青年と、上から下の部屋を除くところだけ。探偵ものというよりかは、気味が悪くて変態で悪趣味なものを書いている作家というイメージがあったので、一番最初にあった『二銭銅貨』は結構頭のなかにコナンや金田一少年を思い浮かべながら読めた。そんなに堅苦しくないな、って。
でも後半になると私の知ってる乱歩の作品が連続で盛り込まれていて、『芋虫』もあった。読んでいる最中反応には困りながらも、まぁ嫌いではないといった感想。

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

男が脱出を試みるまでの長い長い数十ページは、まるで読み進めていくごとに自分の身体に湿気を含んだ砂がまとわりついていくような気分の悪い重みと不快感が増していった。男がついに「穴」から脱出した時は、一切油断も隙も許さず活字をギラギラと凝視するように読んだ。こっちもヒヤヒヤしながら、これはただの夢なんじゃないのか?と希望が一切持てなかった。
安部公房の比喩表現の美しさは言うまでもないが、一人称で語り続けられる「男」の熱量に私はハマった。
しかし、この本の中で最も身震いした文章はなんだっただろうか。それは264pの6行目にある。
当たり前のように、「その月の終わりに、女が妊娠した。」、となんの前触れもなくその一文があった。それも、まるで日常の断片に過ぎないと当然のように、その一文がさり気なく文と文との間に差し込まれていたのだ。
この本をサスペンスと呼ぶのももったいない。ホラーと呼ぶのももったいない。だが芸術と呼ぶにはあまりにも皮肉すぎる。
こんなにおもしろいと思った小説は生まれて初めてだし、もっと早くに読みたかったと感じる。

美しい風景が、人間に寛容である必要など、どこにもありはしないのだ。けっきょく、砂を定着の拒絶だと考えた、おれの出発点に、さして狂いはなかったことになる。1/8m.m.の流動……状態がそのまま、存在である世界……この美しさは、とりもなおさず、死の領土に属するものなのだ。巨大な破壊力や、廃墟の荘厳に通ずる、死の美しさなのだ。-202p

孤独とは、幻を求めて満たされない、渇きのことなのである。
だから、心臓の孤独だけでは安心できずに、爪をかむ。脳波のリズムだけでは満足できずに、タバコを吸う。性交だけでは充足できずに、貧乏ゆすりをする。-236p

青春の墓標―ある学生活動家の愛と死 (1965年)

青春の墓標―ある学生活動家の愛と死 (1965年)

112p読んで挫折。ひたすら著者が生前残した論文・ノート・手紙が時系列ごとに並べられているので、ほとんど資料に近い。
高野悦子に比べると非常に理性的で論理的なので、もちろん本になることを予想されたものではないとは言え、読むのがちょっと大変でした。
一応イイナと思ったところを引用。

いつも「生かされている自分」を忘れて「生きていく自分」が暴走してしまいます。いつも神様の手を払いのけた後で「それでもやっぱり愛して下さる」ことを感じて泣きますが、それも束の間のことです。-12p

人間の意志に内在する道徳的罪による苦痛と束縛からの自由を渇望している。それは飢えている者がパンを求めるというような物質的な欲望ではない。-14p

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

国境の南、太陽の西 (講談社文庫)

浮気・不倫グセが治らない男の自己嫌悪日記といったところでしょうか。感想は無し。

初・夏目漱石。旧漢字が難しいので引用は無しで。
内容自体は言い方が悪いですが地味ですが、にっぽんの空気を感じさせられました。こういう時代背景の世界に戻って生まれてみたかった。
一度読んだだけではうかつに感想が述べられません。もう一度読む必要がある。
とは言え、漱石の造語が多く、漢字だけから意味が予測できるものがほぼ無いためいちいち巻末をチェックしながら読み進めなければならず、読むのに時間がかかる…このインテリ地味た感じに反感を当時は買っただろうなという印象でした。(実際インテリなんですが)



以上です。今月ちゃんと本読めるかなーというくらい急に読んでません。


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